『歌の翼に』トマス・M・ディッシュ 友枝康子訳

サンリオSFで有名なやつってことで、なんとなくタイトルだけ覚えてたので国書刊行会の新装版を読みました。
ロリータ読んだ後のタイミングで、あとがきで若島 正の名前を見るとは。逃れられないってかここ数年読んだ本で驚くほど逃れられずにしょっちゅう出てくるの。いかにぐるぐる狭い興味の中で本選んでるかということですが反省はしない。この名前で検索して出てきた本を片っ端から読んでいけば私の好みっぽいので読む本に困らなさそうです。狭い。

宗教と金でめちゃくちゃになった未来アメリカがこんな昔から創造されてたんですね。
ジャンル小説よりも、普通の小説、文学作品としての見方をしてしまう。ジャンル小説だと、フツーの若者が社会の狭間に落ち込んで、成長とともに明らかになるディストピアで、本当にフツーのSF小説なんだけど、このギミックを書くことが目的ではないし、諧謔よりもまじめな気がするし、小説でした。一番似てるのはソングマスターだけど、あっちはまじでSFジャンルの小説で、これはちょっと毛色が違うかんじ。空想と実体験の差ですかね。