青春のノベルゲーム3本

SWANSONG

FOREST

天使の二挺拳銃

やりたかったゲームまとめてやってしまいました。
が、
この順番はまずかった。
SWANSONGがものすごく文章巧いのは知ってて期待に違わずすごくてさ、FORESTは人を選びまくるところにうまくハマってしまい、その後ダメなところは承知の上でやったらダメなとこが全部ダメだった天使の二挺拳銃天使の二挺拳銃は、64bit非対応なことはわかってたけどしょっちゅう落ちまくる+既読無しのシステムでくじけました。
あ、SWANSONG、FORESTはメガストア付録版はWin7 64bitで問題なく動きました。


天使の二挺拳銃
風子ルートやって飽きました。すみません。
私の数年分の期待は。
3本のルートの中でまだマシとのレビューでしたが・・・。文章自体は拙いとか、下手じゃないとは感じるのですが、キャラクターやストーリーで表現して描くんじゃなくてプロットを読まされてる感。
ここ盛り上がる場面だよねってのはわかる。わかるけど、置いてけぼりというか何も思うところがないというか。すごく好きそうな題材なのに、物語にもキャラクターの行く末にも全然興味が持てないのがすごい。

トレンディな外観は素晴らしいです。天使3人で三角関係でもやんのかと思ってましたよ。絵と雰囲気は最高、つまりPVと設定資料集だけでやめておけば幸せってことでした。

短いし、安いので、嫌になっても、このゲームやりたかった年齢層なら経済的なショック(他エロゲ比)受けずに投げることができるのが救いなのでやりたい人はやってもいいかもしれません。
絵はいい。絵は。未練が一つなくなりました。


■FOREST
世代ですね。リアルタイムでは高騰して手が出なかった一作。それになんかものすごく評価が高くてやりにくいよね。雑誌付録になるなんていい時代です。

たとえば私は同じような世代の桜井光とか壊滅的に合わなかったので、ライター相性というものがエロゲユーザーには存在するわけですが、これはハマってしまいました。やったー。人生の楽しみが増えたね。シナリオが星空めておかと思ってたけどまた別の方。

書かれてることはともかく、遊んでてめっぽう面白い。
キアランカーソンとか、あのへんの詩人が書いた小説みたいな雰囲気と肩並べるくらいよかったです。
そう、一度に表示されるテキストが3行、詩人の文章ならではの高密度とリズムで読む快楽でした。最初の1時間は投げようとしてましたが。表示されている文章と台詞が違うので、読むじゃなくてゲーム遊ぶことを強いられるのが、最初は違和感だけど没入するとすごい。

音楽と声優が抜群。ケルトのリズムと、前述の詩のリズムに声優さんの韻を踏んだ演技や、コロスみたいな演出とかカチっと合ってて、まるで学生演劇を見てるような楽しさでした。

あとこれ新宿が舞台なんで、多分同じ頃のリアル新宿を見てたんで面白がれたんだと思います。でも学生時代にやってたら元ネタは全部はわからなかったんじゃないかと思う。今の年でやってよかったんだろうなと思います。
腐り姫も面白いんだろうなぁ・・・。

■SWANSONG
これは巧すぎ。やっといてよかった。こちらも高騰してましたが雑誌付録で再録。
前記のFORESTは学生演劇みたいな親しみのある巧さなんだけど、エーデルヴァイスの穂高望みたいな、明らかに教養も世代も筆力も上からきてるような巧さ。レベルが違うってか、推し量れないほど完成されてる。

白鳥が断末魔にあげるという美しい鳴声。これは本当にタイトルがハマってる。しかも白鳥は群れなんですね。美しい声が凍てついた世界に木霊するっていうか。

群像劇を書くだけの筆力が、エロいこと含む物語に惜しげもなく向けられてるので、エロ含めた作品の完成度が凄まじいです。
書かれてる題材も、個性的なキャラクターも、微妙な陰影があって、すごく表現することが難しいことだと思うのですが、十分に読者に伝える筆力があってものすごく読み応えがありました。
絵に音楽に演出、それに加えてシステム周りのデザインがキレイでねぇ・・・トータルの完成度が本当凄まじいです。
声優さんも巧い。

というわけで、やりたかった青春の思い出エロゲーをあらかた片付けたので満足しました。
エロゲーって、昔は買うのがまずハードル高くて(お値段的にも)、パソコンだってパーソナルなもんじゃなかったから遊ぶの大変で、レビューとか読むとすごく面白うそうだし、高等遊民の遊びみたいな妙な憧れありましたけど、もう対象年齢をとっくに過ぎてる年なので、過去の清算してしまえてよかったです。