『失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選』

スイスの作家。スイス人なんてシュタイナー以来。シュタイナーっつったら文系の私にとっては人智学でちょいオカルトの人ですが、以前幼児教育に携わる人からシュタイナー教育ってまともな扱いで名前が出てきて認識違いに驚いたことあります。閑話休題。演劇でメジャーな人で、一時期はやったそうですが今はほとんど知名度無いとか。
初めて読むので傾向と対策がないから「故障」の不穏さが超こわかったです。喜劇なの?喜劇でも人死にアリなの?
2部構成の第一部が↓みたいな調子で冗談なのかマジなのかわかんなくて、唐突にある日のセールスマンの様子始まる2部がこわすぎ。

<略>つまり、もし作家には今述べたようなことはどれもやるつもりがなくて、むしろ自分というものをひっこめて、プライベートな事柄は礼儀正しく内密にしておき(中略)
そのような作家は、自分が創作しようと思うその理由が自分自身の中、つまり意識か無意識の中や(どちらにどのような配分であるかは、そのときどきの場合による)、信念や疑念の中にあることはわかっているのだが、まさにそういうことこそ読者には何の関係もないと考えているのだ。