[本]『アレックスと私』アイリーン・M・ペパーバーグ 佐柳 信男翻訳

客観的な科学的事実としての動物の描写と、ペット溺愛飼い主本の中間みたいな面白い位置。
鳥類に無いと思われていた見た物の数を数える能力や大小の比較、群れで生きるソーシャルスキルとして複雑なコミュニケ―ションをとれる能力など、動物の能力をヨウムで研究した人が一般向けに書いた本。

今の科学知識だと動物にそういう機能に相当する能力があるっていうことに疑問無いのですが、著者の時代は人間中心主義で人間にのみ言葉を話す能力があるとか、人間だけ特別枠で、動物は人間より下等生物っていう時代。この頃始まったチンパンジー研究なんかその反動でスピリチュアルな理想を投影しちゃったりで、科学的事実から離れちゃったりうまくいかないもんだね。最近読んだ『ピダハン』に西洋の言語に相当する表現が無いのは発展途上の下等言語だとか、西洋中心主義あったのわかったし、学問の世界もまあ人間のやることだし難儀だわ。科学者半生の自伝でもあって、若い女+その時代の科学常識じゃない研究の二重苦で辛い…この属性のおかげで、頭弱い女の子が動物にキャラ投影しているバカだという判定受けて本当に不本意だったことでしょう。認識課程の学習なんかが、赤ちゃんが成長する理解の過程とか、AIの学習とかいろいろ分野つながっていく。

さておき、ヨウムのアレックス描写が、幼児みたいで超カワイイ。かーわーいーいー。癇癪おこしたり、ホシイホシイいって主張したり、ご機嫌とってきたりすねたり、人間の幼児相当でああああかわいいいいい