『空襲葬送曲』海野十三

1932年の連載小説。超おもしろい。http://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/1240_25726.html

ほのぼの江戸っ子ホームドラマからの、空襲の悲惨地獄絵図!毒ガスの恐怖!痛快なミリタリ描写!若人がかどかわされる平和不戦活動はその実は空襲時に電灯をつけさせるためのアメリカの陰謀!!新兵器で東洋の盟主になって勝った!でも、一丸となった国民のおかげです!! という怒涛の展開。全部に!!!マークつけちゃう、超テンポのいい展開とノリのいい文章。ノリが良い。
大量惨死とか読みたいし、ミリタリ描写読みたいし、陰謀に操られた若人の愚かさに手に汗握るし、そこからの回心は痛快だし、新兵器スゲーッの〆は市民の悲惨にまじめ格調高い雰囲気で流れるラジオからのショパンの葬送曲の情景…で、とても完成された娯楽として読んでしまうことできる。これが異常だと思わないこともできるよ。