『私は赤ちゃん』松田 道雄

赤ちゃんの皮をかぶった産科医のしゃべくり芸、1960年の朝日新聞の連載をまとめた本。前読んだ『私は二歳』が読み物として面白かったので、こっちも読みたいなと。全ページに岩崎ちひろの挿絵が入っててすごくいい。

記載自体は、この時代はこれやってたんだなあと、現代にはそぐわない見解が多いんだけど、団地の暮らしとか昭和風俗として興味深い。ほんとにこんなに注射しまくってたんだろうか。あと関西弁ゲストキャラが現代人に警鐘を鳴らす未開人みたいなキャラ立てなのは、大阪朝日新聞連載だからなのか。妙に面白い。

読み物的には、『私は二歳』のほうが二歳児ってことで外と関わる範囲が広がるんで、昭和の社会が二歳児を通じて知れて面白かったです。二歳のほうが医療知識とか命に関わる話題減るんで、現代にも通じるとこ多くあってタメになります。私は自由を愛するのだ、って人間生まれたからにはそりゃそうだよなあってタメになりました。
「昭和の産科医のしゃべくり芸+子どもを取り巻く風俗@関西の団地+岩崎ちひろイラスト付き」が読んでみたい人におすすめ。子供がいると楽しめる芸風。