ワンピース映画 オマツリ男爵と秘密の島

10年くらい前のワンピース映画。ということは、自分が小学生のくらいのときのナウシカみたいな位置。年とるってこわすぎんな。

当時からサブカル界隈に妙に持ち上げられてた映画ったので、実はほぼリアルタイムでレンタルで見たんだけど、そのときはもちっと面白かったような気がしたんだけど… 若い人間にはこの芸術性っぽいものがいいと思えたのだ。
何が有名って、「みんなが大好きワンピースの夏映画なのに、ジブリの監督を降ろされた細田守が、人間関係の恨みつらみの実体験を主要キャラに投影してグロ画像満載の映画」として有名…
子どもさんとかね、もうちょっといい思いして帰りたかったと思うよ… 

その後の細田守作品がことごとく大嫌いだったとこがつまってました。デジモン映画2本の児童文学のようなワンダーとヴィトンのPVの後までは大好きでした。物語をやらせると途端にダメだ。芸術系の人にありがちな底の浅さで、サマーウォーズで最後のよりどころが実は政界にパイプがあったオバアチャンで権威にすがるとかどれだけおめでたいのか。悪い意味でアニメだよなあって。絵は好き。でもファミリー路線のくせにケモショタ趣味隠さないのが、ハヤオさんは少女趣味なんだなあとよくわかるのでした。

ワンピースの東映映画なのに、ものすごく珍しいことにほぼエヴァのスタッフのスタジオカラー。すしおさんキャラデザなんでグレンラガンみたいよ。アニメーションとしては高クオリティで、絵を書くこと、動かすことに淫していて、観客が楽しいかは二の次。古典的なバスターキートン風の演出だったり、細田守得意の舞台装置的な空間演出とか、やりたいことはわかるけれど必然性のない素敵な動き、素敵な絵を見せるためにとにかくテンポが悪い… ないようがないよう。
ワンピのキャラデザの首回りとか、オッと思う動きだし、3D空間で動かしてるのがオーバーなまでに演出されててスゴイんだけど、けど… キャラ物映画なのにキャラクターの内面描写が崩壊してるのはひどいなあ…ヒーローの活躍を観たくて映画館で観た人はかわいそうに。