体内の蛇 フォークロアと大衆芸術

装丁がイカれてたので手にとったら、リブロポートでした。カッコいい装丁を見せたいけど、出版社がなくなってるのでアマゾンで出てこなくてがっかりです。
中身は、B級映画タブロイドのウソ記事なんかが、フォークロアを再生産して、その話が伝えられることによって街がパニックになるような伝説が信じられたりする関係を、あんま真面目すぎないで書きましょうという本。

その、大衆芸術を研究する態度について、ふざけすぎたり、迎合したり、変に持ち上げすぎたりするのも、なんかおかしいよなーという意見を体現した本なので、読後感がよかったです。
くだらない物にはまってしまう自分を正当化しようとして研究する学者や、くだらないから拒否するんじゃなくて、人間だとハマってしまう要素があるんじゃない?っていう見方は面白かったです。



こういう本を読むのが好きなのは、うようよ右往左往してる羊を導く羊飼いを目指して、(心理学やってみたり、マスメディアやってみたり)、一人だけ道を知って上から羊を眺めたいという青年にありがちな傲慢さ故なのですが、自分も羊の群れの一匹としてうろうろするのを楽しむことはとても大事だと思います。ちょっと前から。
医者の不養生じゃないけど、どうして楽しいのか勉強したのに、他に当てはめるばっかで自分に還元しないのはアホらしい。