アウグスチヌス[告白]講義 矢内原忠雄

むかーしむかし、塾の世界史の先生が、盗んだり不倫したり人生の悪徳を尽くして改宗した教父アウグスティヌスはおもしろいということを力説していた高校生の一学期。ローマ分裂は何年だったか忘れちゃうほど結構な年数が経ってしまいましたが、読んでみました。


アウグスティヌスの自伝「告白」を、明治のキリスト教の先生が講義した本なのです。
だもんで、「勉強して徳を積み世の中人のために身を捧げてエライ人にー!」みたいな、明治の気概があって、超テンションが高くて誇り高い。読んでると、アドレナリンが出てきます。
学問はすばらしい、宗教だってすばらしい、世界だって広くて空は高い、そんな壮大な空気を感じると同時に、複雑多様化していくにつれてそういうことがどんどん小さく矮小になっていった末の今現在の空気を吸ってる身の上を少し恨む。
この明治っぽい希望湧く湧くな雰囲気は好きですという話。講義自体はおもしろエピソードに、おっさんが頑張って解説みたいなかんじで、あんまマジメに受け取らないほうがいいんですが。


時代ってあるよなぁ。