『黄金仮面の王』 マルセル・シュオブ

黄金仮面って言ったって、特撮ヒーローじゃないよ。

フランス世紀末叢書の一冊で、フランス装もどきの装丁に、活字は活版だわ、そういう類の本です。耽美で暗鬱。まさに世紀末。不幸に若者がばたばた死んで、何も生まれず綺麗な世紀末ですよ。耽美な本久しぶりに読んだけど、やっぱ暗い本ってのは、暗いだけで面白いのでした。こういう暗さが大真面目に語られてた昔の本なもんだから、うがって考えたり恥ずかしがったりしないで、暗さに酔っていい本なのです。
何故か、星新一の人類滅亡系オチとか思い出してました。短編小説で、アッとオチつけて、暗澹とした後味が似てたのかも。