『上海』 横光利一

魔都・上海で、踊り子とかスパイの美女とか入り乱れて大活劇・・・はしないけど、大スペクタクル有。稼動する綿工場とか、外国人とか、汚い町の夜の喧騒とか、お膳立ては最高の雰囲気を、超華麗な文章で書かれるもんだから、ファンタジーの域でした。楽しすぎるので、正直ワクワク読んでしまいました。搾取されるアジア人同胞や欧米人に対峙して、日本人とは国家とは〜とか主題らしいんだけど、そんなことはどうでもいいイッツファンタジア。
新感覚派とか名前ついてる独特の文体だけど、今じゃこういう文章書ける人いないんだろうなー。必要なくなって廃れてしまった見た目の複雑怪奇で超綺麗な計測器の作り方も使い方も誰も知らないけど、硝子越しに見てるような興味もあります。