『変身のためのオピウム』多和田葉子

グロさや気持ち悪さやどろーっとしたかんじが、汚くない。不潔だけど、汚いかんじがしないのが、女っぽいところなのかなぁ。隠すことが悪かったり特別な魅力を持ってるわけじゃなくて、隠していることが自然極まりなくて、隠れているという状態が普通というか。能動的に隠しているわけではない。


ネガティブとか暗いとか曖昧とかマイナスなところの視点変わるわけじゃなくて在りうるままというのか、なんていったらいいのか、現代小説って読みなれてないから、本当、感想に困ります。これが女性の小説なんだなぁ。

普段、あんま手にとらないタイプの、小説らしい小説でした。名前聞いたことあったんで、パラパラめくったときに、レダとかユノーとか、神話っぽい名前が出てきてついつい。久しぶりに、日本語の小説読んだー、と一仕事終えた気分になってました。
嫌いじゃなくて、最近興味津々なところであります。暗いとか怪しいとかグロいとか危ういところにドキドキするのって、こういう女性っぽさに魅かれてるのかもしれないなぁーとか思いました。
でも、男が描くと、このへんの助平小説ギリギリの話題って汚さとわかちがたい話題でもあり、それはそれで汚さが魅力でもあり、やっぱり微妙に違うっぽい。