『腐爛の華』ユイスマンス

ある日突然、重い病に冒された少女リドヴィナ、運命に嘆き悲しむけど、常軌を逸した苦しみなのに死ぬことがない。それは、他人の罪を肩代わりして苦しみ、救済になるっていう奇蹟が起きたですよーって説得されて、苦しみと同時に、神様信じて精神的な救いも得られるようになります。
が、奇蹟のたびに他人の身代わりになるわけで、体は病気を背負ってどんどん損壊して醜い姿になり苦痛はいや増す。で、醜い姿を嘲られたり、逆に崇拝の対象になったりが、長いこと続く話。宗教って宗教って。

どういう態度で読んでいいものやら判断つきかねました。作者は悪徳からの改宗者ってことで本気でカトリック万歳で読んでいいものなのか、フランス世紀末叢書に連なってるからには、神様の残酷>嗜虐>被虐でグロテスクな様を楽しむべきなんか。
全然知らなかった話なんで、エピソードとしては掛け値なしに、珍奇で面白かったです。