『たんぽぽのお酒』ブラッドベリ

夏に読んでよかった。
夏の本。
夏そのもの。

少年の人生の夏であり、老人に過ぎ去った夏であり、湯本香樹実の夏の庭のように、それが交錯する夏という季節を、圧倒的な形容詞の数々で夏そのものに。
形容詞が斬新で的確ですばらしすぎてびびる。詩的とよく呼び習わされるそうですが、一つ小説読んで、異化を感じるような表現ってスパイス程度なのに、この本は全部そんな美しい言葉で翻訳されてるんだぜー

古本屋で買って以来、ほっといってたのですが、昭和63年の新宿コマ劇場のチケット2枚綴りが挟んであって、不思議な気持ちに浸ってしまいました。