『プラスチック・ビューティー―美容整形の文化史』エリザベス ハイケン

整形を受容する文化史。整形が、戦傷の修復医療という華々しい分野の最新医療と、女性の欲望をかなえる商売の、2つの側面がつきまとうっていう。どっちが格上な印象かは言うまでもないですが、それぞれを代表する医者達を紹介して、どこで需要されるかによって雰囲気が決まる様子とか、まさに文化誌な本。値段の変遷による抵抗感の歴史とか、基準ってどこにあるのかわからなくなります。
アメリカの美容整形手術の需要が各国人種の特徴を消す、黒人の唇でもユダヤ人の鼻でもアジア人の目でもなくす手術が多いという話。そして、マイケルジャクソンの顔が不安なのは、男性でも女性でもなくなったからだとか、著者の考察も面白いです。