『すばらしい新世界』オルダス・ハックスリー 松村達雄訳/『タイムマシン』ウェルズ 瀬尾裕訳

すばらしい新世界』が読みたくて、なんかの全集で読みました。
いやー素晴らしいディストピアでした。1984は言語や歴史の改ざんっていう精神面のディストピアを書いてるけども、これはダイレクトに生命そのものの種と肉体が管理されて、物質的に統一されたディストピア。これはアリだね!
辛いことがあったらさぁ麻薬でもやろうぜっていう、とりあえず個の幸福係数はやたら高くて社会として持続性がありそうで、且つそんな世界に反逆する主人公がその世界の中でのクズどころか、読者から見てもクズ気味という、ディストピア小説の醍醐味が満タンでした。
『タイムマシン』も初読だったんですが、まさかこんな話だったなんてー、っていう衝撃のディストピア。最近やってた映画とかどういう結末にしてたんでしょう。人類衰退しまくりで、破滅が待ってる全然明るい未来でない科学小説が、SFの父から生まれてたとは誕生からして、影のある思想の受け皿だったんですかね。