『なぜ意志の力はあてにならないのか―自己コントロールの文化史』ダニエル・アクスト

アルコール中毒や放蕩その他のゆきすぎや過剰があれば偉大な作家になれるわけではないが、そのような特徴は神が文学的才能を恵んでくださった「徴候」であるとしたらどうだろう?つまり、いろいろ疑問はあるにしても、結局は自分も選良の一人であることを示す貴重なしるしだったら?
P8

いつか、屈強な男たちが酒場を回って歩き、市民にマスケット銃をつきつけて、さあ物書きになれと脅す日が来るかもしれない。それまでは、物書きは強制されたのではなく自分からこの職業を選んだとみていい。だから彼らは書きたいと思っているはずだ。それならなぜ物書きは先延ばししてサボることで有名なのか。
p288


締め切りが守れない、サボってしまう作家必読。
なんと解決方法を説明してくれる!

生産してる作家さんなら周知の事実かもしれないけど、面白かったです。
最近のアメリカの本によくある著者が前面に出て雑学披露するタイプの本で、どーかなーと思いながら読んでたけど、ハウツー本ではなく、ダイエット失敗や依存なんかの欲望と衝動のコントロールと、やりたいことが出来ない、しないというサボリでコントロール不能が起きる状態についてコンパクトに説明してくれるノンフィクションなので、編集されてる本っていいなぁと思う本でした。

うつ病から4年くらいたって動けるようになるってのは、衝動的、感情的には動けるようになるってことで、自分がコントロール不能な状態で動いてることが、結構アーティスティック(笑)なので放置しておいたけど、生産的ではないし、そこからさらに年経つと、年もくってみっともないし弊害が大きくなってきたので、このあたりの分野を読んでみたかったんだけど、どんぴしゃでした。こっから参考文献読めばいいや。ライトな読み物なんだけど、参考文献紹介がちゃんとあってよかったです。