『オオカミの護符』小倉美恵子

これは労作且つ面白い本でした。神奈川の東横線沿い〜東京〜埼玉の関東に住む人にはオススメ。奇しくも、最近路線相互乗り入れするようになってるルートなんで面白いなあ。
移り住んできた郊外と東京都心の点と路線しか知らなかった人だから、関東のゆるやかなつながりが見えて面白かったです。
秩父の山から川を下って多摩川沿いに、山岳信仰が降りてきたのを、著者がさかのぼってくのと、思索が深まるのとペースが良い。最初あんまり著者が好きじゃない雰囲気かなーと思って、事実の面白さで読んでたんだけども、これを知った後なら最初からテンション高めで思いいれ強めな文章なのも仕方ないや。この遠大な世界に感激しちゃうよな。

・・・
私の曽祖父は御岳講の人で「犬は勝ち負けができるから、うちは犬を飼ってはいけない」と言っていたという話しを、何かの折に祖母に聞いたこと思い出しました。この不思議さ。不思議なことだ。