『日本の名随筆−別巻93』

金田一京助の「片言を言うまで」が読みたくて借りました。淡々とした事実から、嬉しかったんだろうなーとか感じられていい随筆でした。随筆って、昔の発表される機会がわりと改まった場且つ、私的なエピソードで、今はもうあんまり成立しないフォーマットなのかなとも思います。エッセイっていうと途端に軽くなるの。この随筆集は古今の「言語」についての随筆を集めたものでして、国語の教科書の最初のほうに出てくるような雰囲気。こういうテーマばっかりまとめて読まないし面白かったです。フランスの挨拶と日本の挨拶が全部対応しないからって、フランスが挨拶が少ない社交性の無い国だとかは誤ってるとか、SFっぽく枠が壊れるかんじがあって面白い。

それにしても、93とあるように膨大なシリーズである。読むに値する素晴らしいことがたくさんあるのに、ネットだらだら見ちゃうんだよなあ。むなしい。