『犬たちの明治維新 ポチの誕生』

犬が好きなんだねえ。好きなものについて書かれた本はよいものです。しかも好きな人が多いものについてだと、本そのものが堂々としててよいです。犬が好きじゃないとやってられないこの労力。膨大な資料を犬が好きで読みまくったからこその俯瞰。それにしても犬が好き過ぎ。前の『犬の伊勢参り』はイベントが軸になってるけど、これは犬の近代史として大変面白い本でした。犬が好きなんだねえ。

同時に『東京を騒がせた動物たち』っていうのも読んでまして、明治の新聞から動物ネタのみを拾ってくるその労力と、好きで好きでたまらない気持ちが、読んでてとてもいいです。動物大好き。

私も、明治〜昭和の新聞を読みまくったことがありましたが、好きな分野のことは印象に残ってます。本当面白いの明治の新聞。上海から断髪の女怪来日とか、鼈甲めがねの女学生の心中(女二人)とか、少女にあるまじき関係を疑われるお嬢様と不良少女の補導とか。変態性欲という言葉が出来るのはもう少し後か。

下世話な話と動物モノは、今も昔もニュースの鉄板。あと愛国なかんじの。