アメリカン・スナイパー

時間ができたので、去年見たかった映画を、amazonのインスタントビデオを初めて使って見ました。便利過ぎてこれしか使わなくなりそう。でも、あまりにも便利なんで、映画はせめてしっかりテレビの前で見たほうがいいかもなあ。というか映画館が一番だよね。

さておき。
映画を1年ぶりに見たわけでして、チョイスがこれだったんで名作且つ重すぎで疲れ果てました。グエー
2時間という時間の拘束がこんなにも苦しく、自分に影響を与えるもんだったとは。

リアルと虚構の狭間で、不思議なバランスの映画でした。
戦闘は圧倒的で、本当に中東のリアルのように見えます。趣味的なものとしては見て楽しいほどに、凄まじい戦闘。

それに比べて、休暇中のアメリカで、赤ちゃんを抱えるところのシーンが、誰がどう見てもお人形な赤ちゃんを抱えてまじめにお芝居してて????。これは演出なのか??? と思う変なシーンになってしまってます。でも、映画のトーンからして、ここはどう見ても赤ちゃん人形は人形とは思ってはいけないシーン…

ドキュメンタリーではなく、実話を基にしているリアルですが、表現したい方向性や意図に沿った演出にも虚構性は感じます。それなのに残虐なシーンや戦闘シーンは虚構なのにリアルを感じて、不思議なバランス。
政治的なメッセージも、演出の要素でしかなく、主題は一人の男が戦争という状態で、殺人を行うことで変化していく様を描く映画だったように思います。演技が、過剰なのかリアルなのかわからない壊れるという表現がぴったりの異相に、役者が2時間で変わることを観る感覚が不思議。

重苦しい気持ちになるばかりなんだけど、この虚構とリアルと、そしてメッセージが切実なようにも見えつつエンタメ感と、今まで感じたこと無いバランス感覚でした。