マッドマックス 怒りのデスロード

相反する側面が、奇跡の悪魔合体

とにかくメチャクチャにバカ映画として楽しみたい面。
http://miyearnzzlabo.com/archives/25762

だが、そうものすごくまじめな映画でもあるのだ。
http://d.hatena.ne.jp/saebou/20150625/p1

表現は、ものすごい。
CGじゃないっ映像ってやっぱりすごい力。
何もかも見たこと無いものが完璧。見たいとも思わない方向の超絶ディティールで、表現されてるディストピア。このあたりは、実物に勝るものは無いので説明割愛。

でも、この映画の話自体は、神話みたいなんだよね。もう国生み神話。
核戦争後の荒廃した時代に、前時代をひきずった武器と暴力と信仰による支配が、新しい生むための時代に変わっていく。
前時代方式の男と女はそれぞれは生き延びられるけど、子供の未来を刈り取って死者を積むだけの男と、自分自身が生きるだけの強さがせいいっぱいの老いて行く女で未来が無い。
そこに、マックスというストライダーまたはトリックスターが出現し、フュリオサっていう女英雄による変革で未来を作る話。
すごい壮大だよ。やってることはものすごい単純な映画で誤解も何も無いから、ものすごくストーリーの強度がある話になってる。先がわかるのに知りたいし、すごく好きな話。

面白かった。ものすごい面白い映画だった。映画館じゃないと表現は楽しみきれないですね。ついメイキングも買っちゃったんだけど、ディティールがより楽しめるのでいい買物でした。

余談ですが、イモータンジョーの軍団は、会社を思い起こされて・・・そうだよなー…この、個人の死が集団内の栄光と引き換えになるよ!感は、私生活とか忠誠とか人格とか何もかも奪い尽くすまさに会社。会社内でそれなりに楽しい人生もあるよ。でも、会社員は家族をつくらず若くして健康を使い尽くして死んでいくのだ…というリアル。未来が無い。

・・・と思ってたんですが、観客各人が自分の敵の姿をイモータンジョーに投影してて笑う。この普遍性が神話ってか物語の原型だよ全く。
http://ameblo.jp/a-c/entry-12057538569.html