『かわいい闇』ケラスクェット

結構前に買ったけど感想書いてなかったので。
海外コミックは好きだけど、この手の本はごく少部数しか刷らないというイメージなのでほしいほしい!となった人が買わないと申し訳ない気持ち。なんで、これはほしいほしいほしい!となって予約して買いました。

ケラスクェットの絵が気に入って買った本でして、絵は本当によかった。一コマでさえ1枚絵のイラストレーションみたいにちゃんと描かれてる絵なんで、絵が本当にいい。大きな絵になると、びっくりするほど美しい1枚絵でした。
残酷さや死、嫌悪感のある腐敗したモノや異形なんかが、少女のかわいらしい身勝手さや美しさと、それに恋や愛といった両極端にあるものと表裏一体切り離せないお話。価値観の反転を、この完璧にかわいらしい絵で描くので不思議な肯定感ありました。カルトな要素は十分ですが、計算づくな雰囲気もあるんで熱狂はできないかな。でも絵がカワイイー超カワイイー
フランスでも異端の本だったそうですが、勝手ながらいかにもフランスってかんじでした。

お話については、解釈の正解不正解にこだわらず、読んだ人がどういう風に思ったのか聞いてみたくなります。
私は小人たちは少女の死体から生まれた少女性の欠片たちだと思ってたんだけど、どうなんでしょう。あいつら地霊的なもんなのか。最後も、肯定はしてはいけないと思いつつも被害者と加害者の禁断の恋のような絆なのかもとか思ってました。