『マウスガード 1152年』

メジャーでないレーベルのアメコミを翻訳したやつ。アメコミの児童向け賞など獲った作品だそうなんで英語できる人は原書のほうがいいかも。ネズミたちのファンシーなみてくれからに騙されるな、シリアスでハードな中世風ファンタジー
雰囲気は公式サイトで。
http://www.mouseguard.net/

素晴らしい絵です。ペン画の上に彩度の高いカラーインクみたいな伝統的な画法の雰囲気ありつつ、CG加工された絵は超美麗。画風が洗練と素朴と両方とも兼ね備えて、欧風ファンタジーっぽいお話を表現するのに本当に素敵。アメリカだけど。一コマ一コマが美しい。デザイン性も高くて本当にたまらんものがあります。

しかし、初見あまりにアートブックな雰囲気感じて「ああ〜これは何回も読まないかも!1回読めばいいかも!」と思ってしまったのだけど、二週目超面白かったです。なんだかワクワクする!なんでだろって、これ、キャラが超立ってる、キャラ物だったんですよ。1周目で覚えたキャラの行く末に手に汗握って二度三度読んでました。VSカニ戦の死闘の絶望がすごい。
信じられないかもしれませんが、2週目はネズミの見分けがつく。

児童文学のガンバの冒険で胸を熱くしたことがあるならマストバイ。小さきモノ達の、大きな(物理的に)運命の中で激しく命きらめく様が通低してて、こういうの大好き。


余談。ガンバは最近CG映画になりましたが、なんだか愛しにくいデフォルメにパステル調のトーンだったんで、あの生死の明暗と裏切りと信頼の相克するシリアスなドラマ描くのこの絵で大丈夫だろうか…でも旧アニメのすごくデフォルメされたまんがの絵でも素晴らしい演出だったんだし…と葛藤しつつ、予告編を見てだめだこりゃ…何がダメって、絵がダメだし何もかもダメだ…このパステルのネズミが「うわ〜〜〜あ〜〜」とよくあるCG映画のアングルで崖から落下してきたときはもう…ガンバでそういうの見たいんじゃない…
同時に見たルドルフとイッパイアッテナの映画予告編は、フォトリアルな質感と、箱庭感あふれるデフォルメで雰囲気すごくよかったです。こっちはまだ期待してます。