JAPAN Game Music Festival II:Re 2018/1/13(土)1日目 

第一回(レポ)がとってもとっても素晴らしいイベントだったものの、2回目が突然に謎の中止となって早5年… 5年ぶりの2回目開催。世の中こんなことあるなんて。
2017年夏から告知されていたのを全く知らず、ZUNTATAのライブ告知されたタイミングでチケット買って行ってきました。

5年も経ったら違うイベント名で仕切り直してもいいんじゃないのと思わなくもないんですけども、えっあのJGMFが2回目やるの?!中年の5年は短いもので前回がまるで昨日のことのようだぜ!密度の薄い人生!
前回から5つ齢を重ねて老化した体にやさしく、今回も後部にイスがあるという中年の体力にありがたい仕様の会場。前回ツェップで今回ディファ有明。1日目はわりと古参とコアなバンドがラインナップされたので、平均年齢は2日目より高かったんじゃないでしょうか。会場の10代は1人だったか2人だったか…誰かのお子さんかな??くらいの。だって前回からさらに5年経ってるんですよ…
MCでも、普段運動しない中年ゲーマーにやさしいふくらはぎを労わるかんじのフェスでした。

だけども、直前になって終演時間知ったんですが14時半〜21時半という7時間やってるハードさ。イベントじゃなきゃ絶対無理な、ゲーム音楽バンド7時間聴き続けるという体験してきました。


もうここだけ読んでくれればいいんですけど、よかったよ超よかったよ!!!3回目もやって!!!
音楽がいいことでその手の人々に有名なタイトルのサウンドチームが、来る!年単位で名前さえ露出しないスタッフが生身で降臨するいわば生き神のステージ。ゲーム音楽における音楽がいいとは、インストとしての聴きごたえを追求した結果超絶技巧のクラシックやプログレみたいな音楽性にも似つつキャッチーさは失わないので、超絶テク大サービスのステージと化していて、懐かし補正をはるかに上回って純粋に演奏がすごいステージが続いて、とにかくすごかったです。今回わりと知らない曲が多かったんですが、超テクい曲を演奏聞くという行為で満足。



MCも快適でした…普段世知辛いことばっかなんだから、お祭りくらい夢見させてよいい気分にさせてよな、やさしいせかい。MCがガチゲーマー二人っていうのがいいかんじ。この手のイベントだと、ゲームスタッフ+ゲームに興味無くニコニコ機械的に進行してくれるアナウンサーみたいなのが最適解かと思ってたんですが、芸能力あってガチ二人で上手に進行ってレアな組み合わせで奇跡。サブカルのイキリとか承認欲求強めなFC売れない芸人の毒はこういうおめでたい場にはいらんのですよ。

ステージの照明が今ドキはこんなにスゴイのかっていう、すごい演出だったんで、これ資料的な意味でも映像さんが入ってなかったのは勿体ないです… 音楽に合わせて、こだわり演出でした。レイフォースでレーザー飛んだりZUNTATAは青だよねとかその後HEAVYMETAL RAIDENは真っ赤で燃える!メタルなかんじのフラッシュとか、スポットライトもこまめで本当にすごかった照明でした。バンドごとに演出の雰囲気細かく対応してくれて本当にすごい。
映像持ってくるバンドも、演奏に合わせた映像で盛り上がる。前回こういうのはCrush 40の独壇場だった気がするんですが、今回はいろんなバンドで映像が強化されてました。ZUNTATAサイキックフォース作った元スタッフにサイキックフォースのMV作ってもらうとかあって、曲の進行とさすがのシンクロ具合がものすごかったです。やっぱり自社サウンドチームは映像強い。



どれもものすごかったんですが、思い入れのあるところ何組か。

1組目は、ZUNTATA30周年ステージ。イエーーー
同行者は、趣味で音楽弾いているからというおおざっぱすぎる理由で無理に誘ったんですが、ベクトロス買って遊んでCDまで買ってるって重症者だったのでその話出会った15年くらい前にしててくださいねえええ!!!!という最初っからメインイベント。

ZUNTATAライブは、歴代の人気楽曲を作曲者がステージする30周年特別ライブ。
レイシリーズのバンドアレンジの圧、ナイトストライカーやのとんでもないカッコよさっていうか、全曲ものすごいカッコいいんですけど、歴代メンバーが代表曲演奏してステージに次々登場する、これは誰かの走馬灯じゃないのかっていう豪華なステージ。またステージ映像が凝ってていいのよ…ループじゃなくてゲームの見どころをついてくるのは自前ならでは。
しかしながら、みんなが待ちに待ってたOGR氏の演奏時まさかの機材トラブルに、
「ばびちゃん最初っからやっていい?入ってくるところから」と元上司が石川課長に声かけた瞬間が、ライブ一組目という番手もあいまって観客一同手に汗握るハイライト。
結果ライブの魔物が爆誕して、8組ライブの1組目という位置で機材不調による登場からやり直し=開始1時間で終演遅延が決定し、ノーペナ誰も突っ込めない事態に、次のバンドのゲーセンミカドの店長が「みんなーいいもの見れたねwwZUNTATAまさかの連コインwww」とかいう狂犬噛みつき芸炸裂でツカミはオッケ!
忘れてたけど、1日目はアーケードとスマホゲーが多くて業界柄煽り体制が強い。家庭用ゲーム機の人々の奥ゆかしい事よ。

解説するまでもないけど、連コはゲーセンで忌避される文化なので、この場でゲーム音楽の神をいじれる存在は、似て非なる別レイヤーの神であるゲーセン店長という神がかった演奏順でした。ゲーセン店長は、船の船長みたいなゲーセンにおいて全能を持つもんなので、冠婚葬祭ゲーセンでやりたいといえばゲーセン店長に頼むことになるでしょう。ミカドは多分今日ZUNTATAが演奏したゲーム全部動いてるんじゃないかっていう素敵なゲーセンです。閑話休題
30年の歴史で新旧脱退した社員のノビノビぶりに、天才の危険さを改めて感じました。後ろで元ZUNTATAの天才達が謎の踊りをニョロニョロ踊ってる絵面がカオスで、サウンドチームのライブはやっぱ面白いなと思いました。会社員の安定感と、脱退した天才たちのFREEと狂気が紙一重でせめぎ合うスリル。危険。
あと、石川課長がOGRに「ばびちゃん」呼びされるところに、そういう趣味はありませんが不覚にも萌えました。ゲームにクレジット登録するからか、いにしえの生粋のゲーム作曲者ってアルファベット名義持ってるのを、音読するとカワイー これ音読する名前だったのか… 名前は知ってるけど見たことが無い人たちを見られるっていう場を、可視化可聴化したような不思議な体験でした。もうほんと何もかも夢のようなステージでした。



2組目のHEAVY METAL RAIDEN、はゲーセン店長と世界一カッコイイSTG音楽雷電のコンポーザー。カッコイイ…「雷電2の3面でだいたいみんな死ぬんで、あったまるかと思ってやりました」のゲーセン店長トークの煽り芸といい、一番アングラに振れてたステージだったかもしれません。正直、昔聴いた印象だけだったんで、演奏力はどうなんかと思ってたんですが、何年前だよ!そういうことじゃないんだよ!ヘビーメタルだ!!!全員スーツであるもトークも相まって誰一人会社員に見えなくてカッコイイ… 



3組目、だいたい音楽がいいゲーム音楽は全部ココのベイシスケイプ朧村正のボツだけどPVで救済した曲とかDLCの曲とかレア目なやつ。ええええこんなにカッコイイ曲なのに知らなかったんだ。超絶技巧で、8組目の菊田裕樹バンドがゴリゴリのカッコよすぎるプログレと、超絶テク双璧で聞きごたえありました。そう、知らなかったりするんですよね。昔と違って共通体験が無いから、知らないゲームは本当に知る機会が無い。プラットフォームさえ違って、持ってなかったらもちろん知らないし、配信だったりして終わってたら出会う機会は永遠にないんだなあ…

4組目は時田さんトーク弦楽合奏団でスクエニの代表楽曲の中からしっとり目のやつの、
箸休め的なプログラム。しっとり。思い出の数々… を、すごく上手に小編成ながらオケがやってくれる、しかもそのオケがゲーム音楽専門っていうところ、本当今いい時代に生きてるなあ…


5組目は妖怪のように若い古代さん。若すぎない???っていう。世界樹のバトル曲。古代さんといえば私30代なんかは出会いがイースゲーム音楽の古典!とかいう覚え方で世界樹リバイバルみたいなとこあったんだけど、若… ゲーム作られてた方、若いときのお仕事とかで名前しか見たことないもんで、こう、実際に作曲された人を目の当たりにして感慨深いものありました。ZUNTATA然り、現在の曲+過去のヒット曲を持ってるっていう、歴史の長い業界になってるんだなと思います。現役のコンポーザーが来るっていうのが、このイベント独自の楽しさのキモでしょうね。


6組目、俺たち誰??今覚えて帰るしかないスマホゲーモンスターストライクからサウンドと元プロのマーケとサウンドじゃないスタッフのバンド!なのに演奏が盤石過ぎて素人いないやん!ステージパフォーマンスがつよい!知名度ゼロのアウェイに心の強さと、押しの強さと巧い演奏でこの日一番のインパクトを私に残して行ったステージ。他のバンドよりマジで干支一回りくらい若いんじゃないか。余談ですがスマホゲーの会社に転職はやめようと思いました。この若さの日常は無理。
モンスターストライクってこんなにいい曲なのか…という驚きとともに後でサウンド関連漁ったけど、元曲はオケ調。あのステージすげーな!おれたちBBぶらざーず!!!刻み込まれた!



7組目、刻み込まれたと言えばCrush 40。超盛り上がること確実なソニックのステージ。歌手はこの日のためにアメリカからハードロック歌手が来るぞの、なかなか公演数も少ないレアバンドですが、ファンの盛り上がりと演奏力と曲の良さがもはや伝説。MCで、ステージ前に注意が来るくらい、この日一番の大盛り上がりで、映像でソニックのノリノリのPVに歌詞が出るんで熱狂の嵐でした。もう知らない曲でも脳に歌詞が刻み込まれるもん。すごかった。渦だった…



で、8組目は菊田さん、メディア露出のイメージからは、まさかこんなエネルギーあるかんじのおっさんだとは思いもしませんで、プログレの超難テクな聴きごたえある楽曲群。タイトル知名度の差こそあれ、どれもものすごい聴きごたえでした。すごい。パワフルおっさんにもう手玉にとられてて、最後に子午線の祀りを持ってこられると中年はもうもうもう。



そして最後に、オリジナルのテーマ曲で盛り上がってさようなら。
実はこの構成って、第一回目とほぼ同時期にあった同趣旨のあんまり盛り上がらなかった同様企画(スーパーリンク)でもあったんだけど、不思議に今回は受け入れられました。これね、イベントがイベント単独で愛されてないとダメなんだな。イベント参加者満足度高くてこのイベントを好きになってるからこそ、イベントテーマ曲とかいう聞いたことも無いような曲でも愛されるんですよ。コンポーザーが有名とか有名じゃないとか関係なく。そこにまさかの2回目復活という俺たちが応援しなくてどうするんだ要素が加わって愛され度UP。愛してる。


すごくよいイベントでした… こんなに客層ジャストなイベントには参加したことがありません。もうこの日のために生きてきたんだねと言っても過言ではないくらい楽しかった… アーケード寄りだとアングラ近接してちょっと文化が違ったり、コンシューマーだとお行儀良過ぎたり、タイトルの年齢層的に違うとかあったりを、このラインナップ、この空気感がジャストで、本当に得難いものです。生きててよかった。

ZUNTATAファンっていっても、大人になってからハマったんで浅いんですよ。浅い浅いといってても、前回ライブの時点で10年生、今や15年生なのでもはや若人でさえなく、来年自分も生きてるかもわからん年ですよ。とにかくライブは体が元気なうちに行けるときには行かなきゃだめだわ。


次回も開催されるといいなと思います。できれば5年以内で、私の元気が目途たつうちに…
次回は客層的に、セガのH'がまた来てほしいです。あと、ワンマンあんまりやらないアークシステムワークスとかインスト編成で来てほしいなあー