無限煉姦 〜恥辱にまみれし不死姫の輪舞〜 エロゲレビュー

無限煉姦 〜恥辱にまみれし不死姫の輪舞〜

抜きゲーブランドから出て、見た目も宣伝もサブタイトルも抜きゲーですが、中身はまさかの感動の女一代記ものという評判だったので、いつかやってみたかった一品。
ご興味のある方は、公式サイトのクリア後推奨コンテンツも雰囲気つかむのに読んでみるのもいいと思います。いい百合。クリアしてもう一度読んだらまたいいんだこれが。

文章は巧くてやや地の文が多め。この地の文が女の内面を丹念に綴ってて苦しい・・・エロ成分もちゃんと十分なボリューム入れて、この長大な女の情念モノ、母と娘の関係性をこれでもかと読ませる筆力。Fateとか燃えゲーなんかにありがちな文章若干酔ってたり、ライターが前に出てくるタイプではなく、奇をてらわない一般小説のような真っ向勝負の文体なんでライターの和泉万夜氏は文学畑とかに行くかもしんないですね。
でも、この壮大な題材にして長い話なので、エロゲーという媒体じゃないと売るのが難しい話だと思います。これがエロゲでしかも陵辱ゲーよかったところは、陵辱ゲーなので主人公が寝取られようが、他の男を慕おうが、ビッチ化しようが、乙女ゲー化して本命男を落としにかかろうが、なんともないってところかな!ジャンルの力ってすごいですね!
エロゲならではの、ストーリーとしてもシステム(ループ)としても必然性のあるエロなので、媒体とストーリーの親和度が高くて作品として高品質です。

閑話休題
たかがエロゲ、されどエロゲ。「エロさえあれば、エロゲにしてはシナリオが質的に良ければ非難は受けない」という度量の深さもあるジャンルと思います。普通の生活ではまず出会うことが無い異質な作品に昔は本当あこがれたものでした。ライアーソフトのゲームとかやりたくてしょうがなかったもん。


基本パケ絵の雰囲気だと思ったら、ムチだけじゃなくて飴もあって、飴が甘い!甘いよ!
WS000406[2]
Copyright (c)Liquid 2011 無限煉姦 〜恥辱にまみれし不死姫の輪舞〜
乙女ゲーか。私の想像する乙女ゲーってこんなのだと思うのですが。これまでやったどんな乙女ゲーよりもときめきました。こういうのに耐性が無いからまじどきしてしまった・・・
運命の美形。あとショタとギャランドウとまじめ騎士と触手生物と美女とか娘が迫ってきます。

そんなあまーいほんわかした挿話でも扉を開ける音素材が、扉をガシャーっと蹴破る音しかないので、心温まる交感シーンでビクっとすることで、これが陵辱ゲーとして制作されたことを思い出すのでした。
読み物としてはとても面白いのですが、能天気にエロゲーをやりたい気分で眺めるのは、本ルートは結構心情的にきつい。でも充実のBADルートがてちゃんとエロいことしててエロゲとしても十分でした。で、その流れでの最終章をやると乙女で恥ずかしぬ。
絵は可も無く不可も無く。だけどシーンの構図が結構アクロバティックで別カメラで見たいっていう構図が多いので、これまた実用に向かなさそうな。

SFとしてはループものに、女主人公にしか選び得ないであろう結末を与えていて面白い読み物でした。男主人公だと多分この結末はなんか感覚的にだめなかんじ。
最初に無気力な流される少女の流転を描いて、そして最後も・・・でも、そこには女性の成長と満足した生があるんですよね。これを女一代記と呼ばずしてなんという。
私がSFジャンルに感じる魅力に男のナイーブさや虚無感があるので、その中で使い古されたギミックへ女の論理、女の感覚とでもいうような折り合いの付け方は初めて読む解決でした。

エロゲに抵抗無い人だったら、DL版セールのときなんかに落としてもいいんじゃないかと思います。
私はエンディングでまじ泣きしてました。

余談ですが、このゲームがいかに愛されているかといえば公式サイトのメーカーキャラ人気投票で一位の書き下ろしが純愛過ぎて吹きました。ピュアすぎるよ紳士諸君。抜きゲーブランドなので投票された男キャラが他はゲス野郎しかいないラインナップに二度吹く。
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