『ヰタ・セクスアリス』 森鴎外

初めて読みました。タイトルが旧カナだったんで、なんか手に取らなかった数十年。なんか深刻そうじゃん。

僕はいかにしてエロ本と出会ったか(6歳)、学校で尻を狙われる、エッチなことは汚く思いながらも興味津々、そして恋に恋するお年頃…の一人称僕!面白いぞ!
小説ではあるんだけど、金井性だしほぼ自伝エッセイ。

金井君は或夜ここまで書いた。

じゃねーよ!と思わず突っ込んで笑ってしまいました。枠小説っていう解説ワードを鴎外の小説によく聞いたもんですけど、これもまた妙に意図を感じる構成で面白い。

男子学生の寮生活の話なんて面白くないわけなかろう。青春!モテ!草食系男子の青春小説で面白すぎました。軽く読めていいですねこれは。彼の童貞はどうなってしまうのかー

青空文庫だとしょっちゅう挿入される英単語引きながら読めてよかったです。当時の日本語でしっくり合う言葉にできなかったのか、いや単にエロが恥ずかしかったんだろうなあ。この英単語のせいで妙に高尚っぽいし、辞書も面倒なんで読まなくなるもん。イヤミのしゃべりみたいなギャグだと思ってもいいのかもしれない。
エロ単語各種と、denunciateとかちょっとよくないかんじの言葉、女を説明するときなんかで英語になってるのかな、法則性がよくわからない不思議。研究とか読みたいですねえ。面白い。

この後が舞姫だもんなあ… 大学のときゼミの先生鴎外だったんだけど、4年で変えちゃったのを、今初めて惜しく思いました。もったいないことした。でもこういう男の自意識に20才前で付き合えるかっていったらイライラしてたかもしれない。