『10月はたそがれの国』レイ・ブラッドベリ

ファンタジーとホラーの抒情小説。詩的と評されるとおり短編は、文章と構成とも本当に美しいものでした。これね、英語読めたら本当にすごいんだと思う。日本語訳もいくつかあるけど、淡泊気味という評の最新訳でも、ものすごい心かき乱されるもの。
材料は、かつて生きていた痕跡をとどめた何かで、過去の思い出や、少年の日々、秋が訪れた湖畔、客の帰った後のカーニヴァル、ハロウィン…、心が寂しくなって死の予感ににうずきながらも、郷愁で甘いんだよなあ。いい本だなあ。