シン・ゴジラ

見ました。やっと。

オタクはめんどうくさい人種なのだ。去年見るか見ないか見あぐねて、もう見た人に
「最初のゴジラと比べてどうですか」「そりゃ最初のは」
「じゃあビオランテと比べて」「う〜〜〜ん」
「じゃあアニメみたいなオタクが作ったようなキャラが出てきますか」「出てくる」

で、
レンタル待ちしてました。
…こんなオタクくさいものが、あんなに流行ってたのか…
オタクが嫌いそうなものは出てこなくて、好きなものしか出てこないいさぎよさ。戦車出せ戦車。いいの?これでいいのか???オタクの私はF2とか10式戦車にとても興奮しましたが、これいいんだろうか…好きか嫌いかはさておき、私は好きなほうですが、これより面白いものが去年の日本になかったってどうかしてるよ。オタクがサブカルチャーっていう選択肢ではなくなってしまった。
オタクであることと、劣等感が少なからず結びついているタイプのオタクなので戸惑いを隠せません。面白いけど、これを堂々と面白がってていいんだろうか…

私の映画鑑賞タイムってだいたい目がさめちゃった丑三つ時なんで、明け方に興奮と恥ずかしさで悶えていました。どっちも同じようなもんだから相乗効果で眠さMAX時間帯に異常に元気になっちゃってまあ。

ゴジラ自衛隊、戦車、なんか重大そうな会議、なんかえらそうな人、へんながいじん、ひみつきち、さくせん、はたらくくるま…
最後は繰り返しのギャグの威力に直撃されてました。すごいなこれ。大人が疑問を抱かない程度のリアリティという情報でしかない。いやどう見てもすごい変だけどこれオタク向けのジャンル映画だから…科学っぽさと連動したいかにも子供だましのスピリチュアルやオカルト要素が0なのはよかったです。平成ガメラのまさにそのへんが嫌いなんだけどあれがないと成立しなくなっちゃうしねー
このへんは趣味の問題な気もして、官僚劇が子供だましでないかといえばそれはまあ、まあ…私『官僚たちの夏』くらいしか読んだことないそのへんよくわからないキッズだから…

子供映画じゃないから、子供は出てこない、というか、人間的な愛とか感情か成長と交流とかドラマとか全部抜きで、キャラ設定だけで話回すのすげえなあと思いました。いいんだこれ。
テンポが凄まじくいいことは最近の映画全般と共通で驚くけど、現実よりも情報の量が多く詰めて速く流してトリップしちゃう作り。
オタクは鉄道や工場よろしく秩序だったものが大好きなので、材料として政治とか官僚制とか複雑で好きなんだよね。オタク的な関心のあり方として。
子供映画(大人向け)の進化系というか。
今まで見たどんなオタク向け特撮よりかは、洗練されたオタク特撮映画だと思います。洗練。これだな。

パシフィックリムのときもなんだけど、オタクが好きなモノ以外が出てこない世界で快適でした…今の私の価値観は主流ってことか…さておきパシリムは予算が桁違いだけどさ。
もーCGが安いなんて聞いてないよ。ちょっとー。まじかよこれだけ有名なのにこんな程度のCGなのか…金かなあ金だろうなあ。


私はオタクなのでとても面白かったです…でも、親と見るかといったら見ない類の映画です。
多分この映画が一番恥ずかしい世代は、中学生だと思う。タロウが許せなくてQ→マン→セブンしか認められないあの年頃。私はもう年だから、かっこいいひこうきとあたらしいせんしゃでぶーんどどどどどたのしー