『イマジネーションの戦争 「戦争×文学 コレクション」』

「おれはミサイル」が読みたくて借りた、集英社の戦争アンソロジー20巻のうち1冊。『ゼロ年代SF傑作選』のほうにも入っててどっちでもよかったんだけど、こっちで。

芥川龍之介から伊藤計画まで、空想の戦争。
世相ナイズした御伽話の芥川龍之介、戦争を知る世代の小松左京の不安を現代にストレートに再現したifや、未来を皮肉に突き放した星新一ショートショート、その中間かな意外に良識隠さない筒井康隆、現代の戦争を描いた個人的な寓話の伊藤計画… いろいろ過ぎるラインナップで、好きなの探して読むかんじ。
収録作品がどれも青年〜大人向けの「読みもの」として商業ベースに乗った作品だろうなあと思うのが特徴的かも。まさに世相の中で消費された戦争のイメージで、質の良し悪しも含めていい収録ラインナップだと思います。

偶然wikipedeia読んで絶対かわいいやつだと思って読んだ、「おれはミサイル」は、自我を持った自動兵器とミサイルの会話。敵を倒して爆発するという極限にミニマムな欲求を持ち小動物のように騒ぐもはやカワイイとしかいいようがないミサイル萌え、単純化された小さく愚かな子供のようなロボットへの萌えと、永遠に続くと思われる自動化した戦争を担う機械とシステムへのフェチ。よかった。