2017-08-10から1日間の記事一覧

広島テレビの碑

この季節に合わせて自社制作ドキュメンタリーを無料公開してる。 1969年版の碑が、めちゃくちゃすごい。2015年版見たことないんで見ようかな。 http://www.htv.jp/hiroshima/index2.html

『戦艦大和ノ最期』吉田満

講談社学芸文庫版。おそらく、その変遷と、受容をちょっとテキストから離れて見ることがいい年こいた立場には必要なんだろなって思うほど、一次資料。純粋に、テキストとしてものすごいテキスト。 個人の極限状態と、大きな状況の転回が重なって、この短い紙…

『流れる星は生きている』藤原てい

実は夫が結構な有名人で、お前かよ!!とお前呼ばわりしてしまうほど、子供3人を連れて引き揚げの極限状態の逃避行をする作者に感情移入していました。この、一番苦しいときに頼れなかった夫とは、その後離婚はしなかったとしても一生ダメだったろうなあと思…

『妊娠小説』斎藤 美奈子

妊娠が出てくる日本の文芸作品をだいたい「地位も名誉も(妻も)ある男が、年下の立場の弱い女を孕ませちゃって、とっても困って悩むんだけど、後でこんなことあったなあと安全に回想する」と喝破して抱腹絶倒。『舞姫』と『新生』のことなんだけど。その後…

『おもかげ復元師』笹原留似子

お涙ちょうだい枠で、ストレス解消に絶対泣けそうな本を読んでしまうタチの悪い悪癖が私にはあるのですが、ものすごい泣く。エンバーミング、死化粧をする納棺師のエッセイ。半分は東日本大震災の話で、悲しくないはずがない…。事実は小説よりも奇なりという…

『蜜のあわれ』室生犀星

最近青空文庫に入ったそうで話題だったので。 オシャレ。金魚さんとおじさまのオシャレなエロ会話。女に化けたり金魚生態らしさも誇示するある擬人化萌えする金魚。金魚とか異種間の生物的特性に萌えるのって、つまりは女の生物ぶりへの萌え。金魚が超エロく…

『イマジネーションの戦争 「戦争×文学 コレクション」』

「おれはミサイル」が読みたくて借りた、集英社の戦争アンソロジー20巻のうち1冊。『ゼロ年代SF傑作選』のほうにも入っててどっちでもよかったんだけど、こっちで。芥川龍之介から伊藤計画まで、空想の戦争。 世相ナイズした御伽話の芥川龍之介、戦争を知る…

『四人の交差点』トンミ キンヌネン 古市 真由美訳

フィンランドのベストセラー現代小説。共同体とは相いれない個人的な奇妙さを、否定肯定ないまぜで描いて、どうしても譲れない、捨てられない部分に伴う裏面は孤独という哀切を、淡々と描く。自我を扱う普遍的なドラマなんだけど、登場人物がいくら密接に暮…