『という思想 』 原武史

ハーンの出雲つながりで、新年なんでめでたそうなやつを。
出雲の話って、知ってるようで知らない伊勢と天皇をトップにしたメジャー神道がいかに成立したかという裏面でもあって、結構いろんなことが明治発。誰が作ったか個人名まで特定できちゃう。出雲については古事記研究や国学の絡みで江戸くらいから研究書があったりを、伊勢が一番えらいですってのを明治になって作らないといけなくて作った人が浦田長民で本は「大道本義」ですって、他にも別に出雲はえらくないっていう水戸学が江戸時代からあったり、どこの神様を一番えらくするかって学閥地域閥いろいろあった!いろいろあったんだなあ… 

この前に読んでた『心: 個人完訳 小泉八雲コレクション』に、明治知識人のキリスト教に対する宗教態度の話があるんだけども、欧米周遊でアメリカの政治形態を、キリスト教との政教一致と見抜いていたり、宗教と政治について魂や心の領域と政治や科学的な冷静さがあって怖いくらい頭がよく思えるんだけど、それは伝統があるようでないような時代を生きてたんだなあと。
神道については今のほうが盲目的なとこある。それは、伊勢を中心とした権威作りが成功したってことなんだけど、作った権威なのに、作り手に主体がなくなってすがっちゃうようになるのが、これ人間社会の愚かしさでおもろうてやがてかなし。
人間の歴史は人間が作った。誰かが。

あとオマケ的な埼玉県の氷川神社の祭神が出雲系ダヨっていうのも興味深くて歴史調べる人すげえなあ!