『想い出の作家たち』文藝春秋編

作家の親しい人に、故人を語ってもらう。息子、娘、妻が持ってるエピソード。作家って、すべからく変人なので、社会的な価値どころか一番身近な人間と、トラブル起こしまくってるんだけど、それを超える愛。双方に。人間が違うんだ。今と。取り上げられている作家が明治生まれなこともあって、もう明治男の横暴っていうか自由さすごいよw貧乏の底抜けもすごいし、男は傲慢横暴、作家なんで病弱でひねくれてるあわせ技だったりものすごい困難な人生なんだけど、でも、周囲の人間が幸せを語ってくれる。

流れる星は生きている』の藤原ていが、話者に入ってるのチラッと見えて、あの困難過ぎる道行に不在だった夫と、帰国後の関係どんなだったか怖いものみたさで読んだんですが、すごいの。人間が大きいとしか言いようがない。藤原てい自身が、ものすごく強い自立した女で、個人として愛してるんだ。明治男には言って確認する必要もない、自分が好きだからいいんだっていう。あんだけ苦労したのに。すごいなあ。犠牲ではない。すごかったなあ。

なんかよかったなあ。みんな子供が小さかった頃の思い出話が、本当に幸せそうで、今自分が人類共通のボーナスステージにいるんだなと思います。