2013-08-19から1日間の記事一覧

『賢い血』フラナリーオコナー

先に全短編を読んでいたので、これの習作になったであろうエピソードが比較できて興味深かったです。最初の列車のくだりなんか、短編版だと救いようもなく陰鬱だったのが、情報がよりそぎ落とされて、喜劇的な読み物の要素が濃い場面になってるんだけど、余…

『フラナリーオコナー全短篇 上・下』 横山 貞子

イギリスの短編作家フランクオコナーを借りようとしてウロ覚えで借りてきたら、アメリカの有名な短編作家でした。日本にあと3人くらいは間違えた奴がいそう。 これは超好きでした。フォークナーの暴力と運命が、南部の明るい光線の中で熱を持って演劇みたい…

『天体の回転について』小林 泰三

デビューの玩具修理者しか読んだことなかったんで、欲望に忠実に俗悪小説書いてて何よりだなぁと思いました。スラップスティックでいい加減でハードSFも匂わせつつ、ナメきってるー。何の役にも立たない小説が売られてるって素晴らしいことだと思います。ク…

『明るい炭鉱』吉岡 宏高

オッサンの自伝に毛が生えたような文章なので書籍自体が面白いかといえば微妙だけど、書かれた事柄は大層面白。炭鉱の産業的な側面と、たった数十年でなくなった巨大産業の外観がコンパクトに読めるので、当時者が書いた(ほぼ)一次資料だと思って耐えれば…