2009-06-13から1日間の記事一覧

『現代民話考 6 銃後・思想弾圧・空襲・沖縄戦』松谷 みよ子

むかーし、友達が面白いと(以下略) とりあえず、ネタがとっつきやすそうなところから読んでみましたが、語り手と話の関係が近すぎてぞくぞくするような不思議な読後感。語られていることは、私にとっては信じられないほど昔だけど、その人にとっては経験し…

『夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇』柴田 元幸訳

いかにも現代小説な。

『麻雀放浪記』阿佐田哲也

エネルギッシュで奇跡のような時代の終焉が、戦後の終了と、一人の男の人生オーバーラップで、さびしい小説です。なげやりラスト(いい意味で)っぷりで、なんかやっと終わって安心しました。しかし麻雀小説だけど、勝ってる試合よりも負け試合の描写が多い。

『マイナス・ゼロ』広瀬正

あとがきに、昔お世話になったお爺さん(70歳)が出てきて不意打ちすぎてアイスコーヒー吹きました。そんなことはさておき、昭和の40年代のSFエンタメにして、主な舞台は戦前の東京。それを21世紀に読むってんだから、格調高すぎてすげー面白かったです。謎…

『スローバード』イアン ワトスン

SFギミックが純粋に楽しめる本。SFってアイデア一発勝負だから、オチある短編と親和しまくるんだろうなーと思いました。しかも、SFってだけでオチがなくても許せる。あと、アイデアで勝負をかけなくても、叙情とか格調高さとかその他要素でポイントプラスな…

『ディックアイディック』ヴォネガット

世界は崩壊しない本だけど、ゆるやかに平凡な人生が終わっていくことと世界崩壊が同じ重さなんですねこの人のSFは。人生が終わればこの世からおさらばなわけで、たしかに世界は終わるんだけども、天秤でつりあうってのがすっごい個人主義な小説なのかもしれ…

『二都物語』ディケンズ 中野好夫訳

むかし、英語の先生がこれは面白かったと言っていたことをまじで10年ぶりくらいに思い出して読みました。日本語訳で。軽妙で下品なテンポの日本語訳が、当時は日常言葉だったかもしれないけど古いのでマジ古典な空気。民衆のイメージっつーか、下品さっつー…