『無限抱擁』滝井耕作

病妻モノというジャンルだそうです。作家が無茶して、妻が苦労して病気になって、作家が後悔して看病して、妻が死んで、作家がモノ書く、というしよーもないサイクルで生まれたジャンル。
そんなジャンルの存在を人から聞いて、ちょっとおもしろそうなんで読んでみました。
女の人っていうのと男の違いをまじ思い知らされる本で、観察とか描写とかそういう言葉が本当しっくり来ます。
世界で愛叫んじゃうような感極まった一瞬に焦点があるんじゃなくて、長い関係の変遷を書いてるのがスゲー
好きとか嫌とかだけじゃないんだなぁ。
しかし、作家っていうのが、いくら貧乏してても、村の金持ちだったりするのを実感。時々張り倒したくなるけど、そこを含めて作家やってる自分のことをを正直に書いたんだろうなーと思います。最後の一言とかかなりヤケっぱちで、いい年こいた男が、何千人に読まれるつもりで書いてると思うと、なんか、こう、作家って特別だなぁと思います。
どうでもいいんですが、この本図書館で予約したら、違う本しかないと言われて、それとりよせたらデータが間違ってました。あらあら。いつから借りられてなかったんだろう。