『ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選』

「改変歴史モノだね」って、ああそうだね、なんだけど、宇宙開発、米ソ冷戦で60〜80年代っていう話題が語られるときのエモーショナルなドキュメントと、現代人からのフィクションの目線が、限りなく近いので事実としてのドキュメントとフィクションの境界がすごくあいまいで、ロマンチックな本です。夢が一杯詰まってる。
ソ連製ロケットの打ち上げ台が外に倒れる独特な打ち上げ機構の表現が「花開く」のように。

未来を描いたSFではないっていうのが、SF=未来っていう時系列が揺さぶられて面白いジャンルでした。昔の未来SFを読んでるのではなく、昔あったことがSFになるっていう。
最初のロシアの一編は、まずはウィキペディアコマロフから、ソ連の宇宙開発をリンク辿って予備知識仕入れた後で読んだりしてないと完全フィクションで、それでも面白いんだけど、正史のアナザーストーリーが読めて面白い。正史がまるでフィクション。