『プレイボーイクラブ潜入記』グロリア・スタイネム

エロ本じゃないよ。フェミ本だよ。
バニーちゃん発祥のナイトクラブ、プレイボーイクラブに、気鋭のフェミニストがバニーガールとして応募した体験記。アメリカ〜ンなシニカルな鼻につく物言いが気になるけど、そういう目的の記事なのです。60年代です。
新人はクローク係でまずはこき使われて、理不尽な客に耐えろな配膳とか、応接系の肉体労働に人いつかない理由は今も昔も変わらない。しかもそれを、すごく苦しいコスチュームで、エロエロ媚びながらやって、普通のウェイトレスと大して替わらない賃金という暴露。いい女満載の華やかな夜のお仕事かと思いきや、フツーの女の子の変身願望を搾取する今のライト風俗なメイドカフェみたいな。
クロークやったときヒールは辛かったので、一晩中スゲー高い踵に、べたべたストッキング、ボーンで締め上げるバニースーツだときつすぎる。しかも、ストッキングは店から購入しろとか、洗濯代とかそのへんの縛りも今の日雇いと変わらない儲け方でした。
そして、バニーの胸にときめきとか、夢とか、ある人は今すぐ幻想を捨てるんだ! な暴露本でした。面白いんだけどね。60年代です。今もあんまり変わってない気がするのは、なんか残念なことなようでもありますが、変わってないように見えてもっと柔軟になってるのか。後半、この著者の著名な記事を収録してあるんですが、過激で一方的だけども、パワーがすごい。そんな時代もあったんだなーと思います。過激なだけじゃなくて、自分の母を著述した記事はちょっとイイ話です。