風の谷のナウシカ

結構何回も読んでるんだけど、頭がサッパリしてないときだったのか、今回読んで、初めてクシャナ軍の進軍経路が理解できました。前線に行った後、砦に戻ってきてたのね。
で、落とした砦が新兵器のヒドラで奪還されてて、捕まったりしてたのか。
あと神聖皇帝が意外と代が浅かったり(途中で設定が変わったのかも)、よく理解できてなくても楽しめちゃうものだったんだなぁと思いました。最終巻では1日でナウシカ30キロ以上走ってるとか、地理を考えながら読むとまた違った楽しみ方もあるのでした。

スケール感が狂うような壮大な話で、昔は大きすぎて思想から入るような呪縛があったけど、今はだいぶ外から眺められるようになってました。没入もしようと思えばできるし、外から切り出して今日は攻城戦だけ楽しもうとかできるので、驚きのコストパフォーマンスなのでした。安いよねー
紙が悪くなったら買い替えてもいいよねー


で、
ほぼ初めて通しでアニメ版も見ました。
途中で寝たり、途中から見たりで、なんだかんだで通しで見るのは初めてだったような。だってオタクなのに、こんな有名な作品が話うろ覚えなんて信じられないので、たぶん通して見るのは初めて。
はじめてみるとすげぇ面白かったです。いいだろう!初めてナウシカ見る体験をこの年でやる日本人ってレアすぎていいだろう!と謎の自慢をしたくなるほど面白かった。

レンタルで借りて、2回目に見たコメンタリーが面白すぎでした。
コメントで名前出てくるアニメーターの作品が一通りわかる時点で、オタクだぜー
いわれてみればああたしかにっていう、統一感が無い絵なのに、昔は気がつかないもんでした。
アニメーターの個性でまくりで、なかむらたかしは誰が見てもなかむらたかしの顔でした。ナウシカも金田立ちやってて吹く。でもこの風見台の嵐のシーンは何もかもがすごく動いて気持ちいい。
絵のばらつきや動かし方もアニメーターにまかせてて、この時代の宮崎さんだと直してないんですね。製作手法によるのかもしれないし、立場や思想上の判断なのかもしれないけど、今はまるで一人の作品みたいな絵になってて、それはそれですごい。

あと、コメンタリーの庵野監督の「あーテトかわいー(棒)」が何十回も聞けてよかったです。あーテトかわいー

というわけで、冒険映画のボーイミーツガールのフォーマットや、おっぱいへのこだわり、股を開いてはしたない娘、ここは雑に動かしちゃった・・・とか、弾道がよく描けた、とか他愛もない面白い話満載でした。動かし方とか絵とか、そういうオタク向けなコメンタリーなので、ストーリーの話とかはないよ。
訴えたい話がありきじゃなくて、動かしたい、絵が描きたい、が先に来るか同時で同等の動機っていうのが一般人には理解しがたくて、それはきっとオタクっていうと思うの。
キレイな弾道と幼女とワクワク戦記モノを書くために戦争を反対する作品になるとか、そんなアンビバレンツで、それはよくもないし悪くもないし、私もすばらしい動きの幼女と飛行機が見られればそれでいいと思うオタクなのでした。