『みなさん、さようなら』

団地から出ずに一生を過ごすと決めた主人公。というあらすじ一行の時点でもう読んでみたいし面白い。本当によくできてるエンタメ小説で、賞狙いで書かれて大賞とったデビュー作だから、山の位置とか、どんでん返しとか、複線の強弱とか見事にエンタメの定石踏んでて、安心して読めました。直前に脚本教室読んでたんで、教科書みたいでした。でも、結末はどうなるのか、この主人公の人生のどこまで書かれるのかものすごく気になるキャラクターで、本当巧かった。読後感いいし、映画にならなかったのかなあ。半生だから映画は難しかったのかなあ。
自分が社宅という集合住宅を転々として育ったこともあって、共感が深かったのでもう一回くらい読んじゃいそう。