『アメリカの鱒釣り』リチャード・ブロディガン

こういうの初めて読みました。もったいないから、解説とか読まずに最初の感想を残します。

明るい。楽しい。川つながりでマーク・トウェインにも通じるよな、明るさ。そしてイメージの氾濫。時は順繰りに流れている。川のように。川に泳ぐ鱒たちは、いつの鱒だろうか、釣りたい鱒、釣った鱒、みんな同じ鱒。アメリカにある物のことが書かれている。アメリカにある物の名前で書かれた言葉。

ここまで書いて、解説読んじゃったんだけど、だいたい印象が解説通りで、正しい方向の読みをしてしまってつまんないような面白いような。モノの名前がたくさん出てくるので、知らない名前ばかりで深い読みで楽しみきれていないのは感じます。
形ある物になぞらえて形のないものを書く、形のある物が思い出や思いつきの考えに解体していくことの行ったり来たりで、これに辛抱して耐えられる読書積んでてよかったと思う本。辛抱なんてしてないね、これが楽しい。短いことも素晴らしい。いい本だなあ。明るいのがとにかくいい。あとがきで指摘されるように死と崩壊は主なテーマだけど、へなちょこで明るい。