『アフガン帰還兵の証言』スヴェトラーナ アレクシエーヴィッチ 三浦 みどり訳

おととしのノーベル文学賞。戦争ポルノ的にちびちび読んでるんだけど、なんかポルノにするには、近すぎて生々しすぎるのとどうしようもなくて全くカタルシスではない、このリアル。不条理としか言いようがなくて。

こういうインタビューをソ連で初めてくらいにやったもんだから、最初実名公開しちゃったりしたそうなんですね。恐ろしい。ソ連で!
当然訴訟があったり、それについての反応を本にまた収録したり… そこまで入ってるんで、現実と信じたいこと、言いたいことの相克の記録になってます。そしてこれも、事実そのものが描かれたのではなく語られたことを書くっていうのが、また人間ってなんだろうなって。

アフガンで水路建設してる中村医師の『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る』のインタビュー本にあった澤地久枝氏が話てた「赤ん坊の駕籠が道路の真ん中に置いてある、通れないからどけようと手に持ったら爆弾が仕掛けられていて吹き飛んだ」ってこれが出典かと思ってたんですが、そういうエピソードありませんでした。どの本なんだろう。
似たような残虐な話は、放置されていた駕籠を爆発物かと思って調べたら赤ん坊が入っている、このままにはしておけないので集落に届けた中隊長と二人は農機具で殺されたっていう話でした。

似た話
http://blog.goo.ne.jp/ohmadkazufumi/e/387c3dabe488f627bcf87f0b45c69500
アフガニスタンの一般市民は、自分たちの赤ん坊を、戦車が通る道のど真ん中に放置します。ソ連兵は哀れに思い、赤ん坊を保護し、村に連れて行きます。そして拉致されるのです