ビデオ会2006

一年に一度の狂宴・・・もとい、B級映画を嗅ぎ分ける目利きの競演、ビデオ会でした。今回もなかなか酷かったです。


「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」

最初っから一番か二番に酷かった。
一見、普通のウルトラ映画のパッケージを装っていたので(背だけ見たら完璧にフツー)、見過ごしそうになりましたが、ジャケ裏を見ればなんかへんな白い猿みたいなアレが。ハヌマーンが。
タイとの共同合作でハヌマーンウルトラ兄弟といっしょに怪獣をリンチにかけるという内容は一部では、非常に有名な作品ですが、百聞は一見に如かず。
あの猿の動きと嬉々とした声は夢に出ますよ。
映像もサイケデリックとかもうそういうレベルじゃなくて、わけがわからない。
内容は今更書きませんが、科学に身を捧げて人類に尽くす科学者が報われない上に、発狂しちゃうのは、ウルトラ物としてどうなのかとだけは言いたい。


ドラゴンクエスト ファンタジアビデオ」
こちらも、ネット上では散々な評判の作品ですが・・・それが思いのほかよかったのよ。
適度な時代感と、愛のあるこだわり造形は、ネタとして笑ってしまうのは勿体無いかんじです。
もー、装備品とか、すごくオフィシャルどおりの形で造ってあって、こんぼうは10G(DQ4)で下取りだったなとか、思い出が甦ってくるので、ドラクエ好きな人は、まじめに見ちゃっても楽しめます。音楽も言うことなしのオーケストラです。
余談ですが、ドラゴンクエストのテーマが、多分最初のFC版とSFCロンフィル1、ロンフィル12にしか収録されていない、長い間奏の入るバージョンなので、サントラオタク的にもポイント高いです。ロンフィルが出るまで、2はオケ編曲がなかったと思うから、この当時の2ファンは嬉しかったんだろうなー

1〜3の曲をつなげていくんですが、このビデオしかない編曲であろうも楽しめる上に、映像がマジメに造ってあって結構な、ドラクエ知ってる人にはオススメです。B級だけど、それゆえの愛が楽しめる後味のよいB級でした。DVDとかになったら買いたいです。


秘密の花園
児童文学じゃなくて、日本映画です。お金が大好きなこと以外何もない銀行員の女の話なんですが、あらすじ一切読まないほうが面白いです。いやー女ってこういうかんじだよなーとしみじみしてました。女っぽさがすごく出てて、面白おかしくやがて爽やか。映画イイネェーってかんじにニヤニヤできる、面白い映画でした。


「サクサク Ver1」
ご当地ソングを聞きましたが、聞きしに勝るローカルっぷりでした。おかしい。放映当時はあんま見てなかったんだけど、これだけグダグダしてると日常では見られないよ・・・


コアラ課長
ワーストをハヌマーンと争いました。
も〜
この名前を書くことさえ忌々しいいかレスラーよりやり場のない不完全燃焼物。テンションの高いB級映画はそれはそれは素敵だけど、このあがりきらないテンションはなんともしようがない。


「クラバート」
プロイスラーの原作の児童文学のアニメ。紙に描いた絵をコマ取りして動かしてる部分と、実写部分が合わさってとても複雑な肌合いの画面でした。どうやって動いてるのかわかんなかったくらい、絵がそのままで滑らかに動きます。同時収録の人形アニメも、動きがよかったです。アニメも、時代で進化するとかいう類の物じゃなくて、芸術とかと同じで、一人すごい人が作るもんだなーと思いました。人間や自然の動きをなぞるんじゃなくて、動きを造っているのです。


「岸辺の二人」
短編アニメ。短くて二次元で、ものすごく孤高。アニメはいいものだ。音楽がつくし、絵が動くし、お話しもある。作るのは膨大な労力がかかるのに、受け取るのはすごくカンタン。アニメはいいものだ・・・


「東口トルエンズ」
戸川純と絶叫アコギ。
ネタにできるものではないのだけど、マジメにもとれず、難しい・・・月並みですが、アンダーグラウンド、まさに地上の下からの叫びで、私はそれに耳を傾ける気があるのかないのか、そういうことしたいのかしたくないのか、よくわかんなくなってきました。大学時代は、首を下につっこみたかったけど、今現在は正直よくわからなくなってます。・・・とか郷愁あり、今現在も続行中の問題でもあり、ぐるぐるフリーズしてました。嫌悪ギリギリのこういう部分は切り捨てたほうが、ラクだけど、こういうメチャクチャなエネルギーは、あったほうがいいとは思う。気がするけど、どうだろう・・・(ウィンドウズの砂時計)


箒星
ミスチルのビデオクリップ。心の自分A、B、C、D、E、F・・・を、他人が同じ格好して、同じような振り付けとセットの中で踊るという、すごいアナログで面白い映像でした。
グズを蹴飛ばしたくなる気持ちもあり、そういうのはグズって言うんじゃなくて、優しいとか小さいとかそういうことが大事なんだと、思いが溢れてくるときもあり、結構翻弄されました。文字通りキレイごとなんですが、キレイなもんはそりゃ好きで当たり前だなぁと、納得しかけてました。あ、しました。



また来年!