『日本残酷物語 1 貧しき人々』

自分の仕事が辛くなってくると、この手の本読みたくなるのでした。
出版された時代と合わせて、テキストを読んでねっていうあとがき付の復刻の文庫。宮本常一筆頭に、何人かで書いてる+編集者の大幅な編纂ってことですごく恣意的な読み物ではありますが、エピソードの羅列としてみると興味深かったです。昔がいいって絶対ウソダネーいやだねー みたいな。のどかな農村に見えるけど寄生虫で大変だとか、夜這いとか大家族の構成員とその来歴とか、知らない話も多くて面白かったです。
で、あと5巻目の近代の暗黒編も読んだんですが、これはだいぶ政治性がにおう文章多くて時代を感じて、ヒマつぶしの読み物としては微妙な気分。あと個人的に、明治以降のは引かれてる一次資料は結構普通に手に入って読めるので、解釈されてるフィルタが一枚少ないんで面白いような。
私がこの手の本読んでる動機って人間の生々しさを娯楽にしたいのか・・?とわれながらに思うのでした。どうなんだろね。

働いて生きることの苦しさにネット上で浸りたい人は、北辺に斃れたタコ労働者が、オススメです。元が本だっただけあって、読み応えありました。