『若者はみな悲しい』F.スコット フィッツジェラルド 小川高義訳

何よりもまず読み物としての快楽がある。自薦短編小説集だそうで、読者を楽しませる読み物として発表されてるのでちゃんとオチがつく。長編の習作っていう側面もあって、これはギャッツビーに対応する作品が入っているとか。ジャズエイジアメリカお金持ちの若者の華やかな一つの短い断片として、異世界読んでるいい気分でした。
若い気分が、否定的にも肯定的にも書かれていて、失われることが前提の一瞬の輝き、終わった後失ったものとして、まさに今渦中で獲得しつつある成長として、いろいろ描いてくれて青春に浸れました。読み物だから、こうして気分を思うままに揺さぶられていいやつ。いい読書時間でした。