『セールスマンの死』アーサー・ミラー 倉橋健訳

月曜出勤中に読むと死にたくなる本No.1。半世紀にわたって不動の第一位で、今後も何十年もトップでしょう…。

つらい。つまりセールスマンというか、雇われる凡人人生のエッセンスを、ほんの短い紙数で一時間も経たないうちに摂取できるわけで、幸も不幸もほんの一時間のこの薄っぺらい紙数でハイ終わり!
サラリーマン生活何十年の末、子供が36歳職なし不仲、家のローンに保険料が払えない、という今スグ死にたい、この現実を拒否したい時に至るまで。

幸せだったんですよ。昔は。もちろん過ちもあった、でも、幸せな時が確かにあったのに。「何かが未来にあるってときが一番幸せなんだ」とか、共感というよりもわたくし自身の状況説明ダイレクトなセリフだけでできてて、読むのがつらい。

いわゆるマイホームファミリーの幸せ行きつく先(1949発表)なので、このまま目指すと自分もこのとおりにもうこれからは辛いことばっか残ってるんだろうなあ人生…
若い時の幸せと先の不幸がセットって、特異な生き方っていうよりも、わりと普遍なんじゃないかなあ… つらい。