『サイコパス・インサイド―ある神経科学者の脳の謎への旅』ジェームス・ファロン

たいへんたいへ〜ん私ってもしかしてサイコパス
という事になったサイコパスの自伝。脳のスキャン画像を見てこいつサイコパスだな、っていう診断を自分でつけてしまった脳科学者が、成育歴の検討や自分の内側に向き合って葛藤する、サイコパスがヤバイと思うのは社会的にヤバいレッテルだからであって、実は自分自身としては全然気にしてない…ってことを自分で認めて、ああ他の人は違うのか…とわかるまで。
この分野の第一人者の知識、社会に順応するよう教育されて他の人よりも大成功しているからこそ受け入れられた結論でしょう。もしも、社会からはみ出していたら、明らかに悪い事してるだろう、他の人はできることじゃないということまで著者は自分を理解した、とこの本に書いてます。こわい。こういうこと書けるのも、それが不利にならない形で今があって大成功してるからだよ…

破ると自分が不利になるルールだからノーとしてるだけであって、それが悪だからという禁忌はない。おおサイコパス…悪を内面化できず、打算の関係ナシには他者と付き合うことはできない、つまり大多数の人間が持ってるような心というべき特性がないけど、あるように学習して振る舞っている。でも幸せや、悲しみもある。
人類社会のの2%には保持されている特性ということで、状況によって利点をもたらしているのでやっぱり人類の一員なんだな。これが。
生得的な脳の構造によって人生決まるけど後天的な要素もあるよのエピジェネティクス派の脳科学者であって、その大枠は変わらないんだけど生得と後天的な要素の両方に対して考え方が自分という検証事例通してちょっと変わってくのが興味深かったです。

あと訳が雑で読みにくい。まるで面白そうな感想なんですが、いい本かって言われたら雑さは目立つ。