『精霊たちの家』イサベル・アジェンデ 木村 榮一訳

南米文学好きだったのに、これまだ読んでいませんでした。圧倒的に面白いんだろうなって思ってたんで、こう、予定調和を求める気分が直前で変わったりで延ばし延ばしにしていて、ここ数年借りては返していたんですが、読んだ後ちょっと後悔するほど面白かったです。こんな面白いの、もう読んじゃったんだなあ…

圧倒的に娯楽なんですよ。奇矯な人々の不思議なエピソードが途切れることなく続いて、魔法のような大自然と、魔術のような贅沢の蕩尽で彩られた一族の歴史に、見世物のような残酷な死が積み重ねられて、そして政治のほのめかし。それが南米文学、みたいな。南米文学堪能したっていう満足感ありました。どれも同じようにも思うし、独特にも思います。フルコースとか満漢全席とかそういう類の贅沢な料理。
百年の孤独』もだいぶ忘れたからまた読みたいなあと思ったら、著者自身も比較されていることを言及してるし、解説者も触れてて、やっぱりみんなそういう風に思っちゃうんだ。
違いを事細かにあげるよりも、楽しんだ、という感想でいいかなと思います。