『Xのアーチ』スティーヴ エリクソン 柴田 元幸訳

実は、半分読んで図書館に返しちゃった。氷の国に娘と旅立ったところ。
最初と最後だけちょっと読めばいいかなとか、そういうズルは許されない、めちゃくちゃ且つ濃密な進行。なので、全部ちゃんと読まないとダメ。
文体が合わないわけでもなし、読めるんだけど、長い…
。気になったらまた読もう。何冊も並行して読んでると、この本で起きたことなのか別の本で起きたことだったのか、混ざってくるドライブ感。それくらい、この本が現実と意識と本そのものとの境目が曖昧になる。
まあ全部読んでないんだけど。

アメリカの奴隷制、ジェファソンと女奴隷、男女の愛、所有/支配する欲望、俳優のように登場人物が入れ替わりオーバーラップ、モンタージュと、イメージの移り方が映像の文法みたいにも思えてました。トマスジェファソンと女奴隷の時代劇と、セットのようなSF的などこともしれない退廃都市、が半分までには出てきてました。

…今、広告やエンタメではまるで白人と黒人、男と女なんて存在しないかのような、役どころや話の展開なんですね。特捜戦隊デカレンジャーの海外版「POWER RANGERS S.P.D」のレッドが黒人とか別チームはレッドが女性とか。当然のごとくに。でも、違うんだよなあ。「見えないくらい黒ければいいのに」とか、私の世代からは遠ざけられていた禁忌の表現でした。