『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』阿古 真理

新書。2016/10刊なんで最新事情。
今、パン美味しいんですよ。すごくおいしいパン売ってる。私パン屋で買うパン食べるのが好きな贅沢なんですが、最近食べたフランスパン革命的においしかったです。で、気になってて読んでみました。

日本のパンについてもう至れり尽くせり。知らないことを全部きちんと調べてくれました!っていう良書。
・ドイツやフランスの職人芸が日清日露の戦争捕虜通じて日本に技術定着した経緯や、アメリカの大量生産技術(ヨーロッパのように歴史がないから街の住人に何百年パン作ってきましたっていうパン屋っていうものが無いので、週一で作ったパンを日持ちさせるため油脂や砂糖入りのレシピで家庭生産、その後お店で売るために機械で大量生産)とか、各国の歴史と、日本に入ってきたタイミングの話。
・そこから日本の主要メーカーや名店、アンパンメロンパンジャムパン…日本独特のパンの歴史。最初は外国人ありきで作って、米不足があると人気になったり、キリスト教やその学校とも密接で、洋式化に伴う軍隊で合理的な食事として採用っていう一面も。
初期給食がパンなのも、洗剤も配膳設備も不十分でごはん給食ができる環境でなかったっていうの目からウロコでした。そういやそうだ。きちんとした食事のイメージってほんの数十年のことで、買ってくるだけでいいのでアンパンが農村でお手軽な軽食になってたことなんか、いわゆる一汁三菜のご飯定食は作って後片付けしてくれる人いないとなあ。ご飯を関東は朝、関西は昼炊くみたいな文化の違いも、パン朝食の普及と関連してたりで面白い。
・各国外国人にインタビュー。だいたい炭水化物+炭水化物の御惣菜パンは不思議、ドイツパンはいまいち、でもフランスパンは全員が美味しいと回答。フランスパンはおいしいんですよ。
・で、ここ数年のおいしいフランスパンブーム。高いだけあって、コントレックス(お高い水。超硬水)で作ってたりする。高度経済成長と主婦の趣味のパンの歴史から、女性店主の小さなお店への流れとか。

フランスパン食べたい。